ちくま学芸文庫のダメージコントロールを褒め称えたい

ちくま学芸文庫 (@ChikumaGakugei) のソーシャル炎上の対処の適切さを褒めたたえたくなったのでブログにしたためます。

炎上元のツイート

炎上元は『朱子学と陽明学』の帯文「なぜ中国・韓国はああなのか」を問題視した次のツイートでした。

本ブログの執筆時点でRTは1400弱と小規模な炎上です。ただ、学芸書という一分野にとっては一大事といえます。担当者の心境たるや、いかほどの焦燥でしょうか。

ちくま学芸文庫の釈明

対して、炎上元のツイートがあった翌日に釈明の連続ツイートが行われました。スレッドになっておらず紹介が手間なので趣旨を把握しやすいツイートを2つ掲載します。

恐らく燃えはじめたのを担当者が認知して同日中には対応を完了したと見受けられます。元ツイートからも30時間ほどしか経過しておらず対応が迅速でした。

もしも対応が遅かったのならば、われわれ群衆のアテンションも切れてしまい、汚名返上の機会は失われ、不信が鬱積していたことでしょう。

必要だった「文脈の供給」

ここで今回の対応に私が感服させられた理由を書き起こしておきます。

まず、たいがいの炎上は多かれ少なかれ、文脈の切り取りによる印象操作があります。この切り取りはTwitterのサービスの特性なので良し悪しではなくなくせるものではありません。

今回の炎上元ツイートも、発言者に悪意はなさそうであるものの書影と帯のみをツイートすると「手にとって中身を吟味する」ことができなくなります(たんにRTすることに比べて検証のコストが跳ね上がります)。

帯を企画した編集者が書店で手にとってもらう機会を増やそうと画策したとするのであれば、こういったツイートでの紹介は前提が異なっており文脈の破断が起きています。むろんこういった形で紹介されることを想定しきれていなかった甘さはあり、ちくま学芸文庫からの連続ツイートでも力不足であった旨の言明があります。

こういったある種、典型的な炎上の構図においてちくま学芸文庫はオンタイムで適切な対応を行いました。火に油を注ぐケースが散見される昨今にあっては「絶妙」とさえ評価できる事態収拾であったといってもようでしょう。

あえてエッセンスをかいつまむと次の通りです。

  • 批判を認知していること
  • 力不足であったことの反省
  • 批判は意図と異なることの明言
  • 本来の企画意図の説明
  • 対応は完了済みであり、「被害」は広がらないこと

こうしてまとめると当たり前に思えてしまいます。しかし特筆すべきは「ご不快な思いをさせてしまい…」うんぬんの紋切り型の謝罪が入っていなかったことでょう。

他にも見当違いな謝罪はいろいろ思い浮かびます。例えば、今回の件でいえば中韓の人々に謝罪するなどなど(さすがにそのレベルの稚拙さはめったに見られない)。

ともかく、ちくま学芸文庫のツイートは分断された文脈を回復させて、怒り哀しむ群衆に「えっ、そうだったのね」と思わせることに成功しており広くソーシャル炎上対応の事例として知られてほしいところです。

ツイートでの返答

Twitterでの炎上に対して、ツイートで返答を行なったのは少なくとも今回の件に関しては正解のように見られました。ケースによっては「同じ土俵に乗らない」ことも選択肢になり、そういった場合は会社の公式サイトに声明を載せるのが一般的です。また、引用ツイートしなかったことは、意図したかどうかはともかく適切な距離のとりかたでした。

広めよう適切なダメージコントロール

過不足のある謝罪や不適切な対応があふれかえる昨今、ちくま学芸文庫の対応は心休まるできごとでした。以上です。

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