仮想通貨の未来

(1) それは近い未来なのか

仮想通貨に未来はあるだろう。しかし、その担い手が今出てきているかは別の話である。例えば機械学習はいまだに発展途上だが、それすら環境がそろうまでに第N回めのブームを重ねてきた経緯がある。

特定の技術が信頼を勝ち得るまでには長い道のりといくばくかの犠牲が付き物だった。10年単位の長い目で見よう。

industry-1752876_1920.png

(2) 投資対象としてのビットコイン

ブロックチェーンに技術的に興味深い要素はたくさんあっても、少なくともビットコインが伝統的な通貨の要件を満たすに至っていないのは確かである。さらに、仮に通貨として完成しても、通貨に投資するのはFXと同様に資産形成手段として筋悪であるという2重のツッコミどころがある。

仮想通貨を投資対象として所持している多くの人が日本円や米ドルなど既存通貨で儲けたいだけで、仮想通貨自体に興味があるわけではないだろう。しかし少ない元手で投機するにしても、2011〜2013年ごろならまだしも現時点では数億円単位の利益を短期間で得るのは難しい局面である。
※投機のことを悪くいうつもりはないがideco口座を開設して細々と投信を積み立てるほうがいくぶん健康的ではあると思う。

(3) ビットコインと量子計算機

特に裏付けも強い確信もあるわけではないが、仮想通貨の旗手ビットコインについて疑問があるので書き起こしておく。

ビットコインのいわゆる「発掘」は、マイナーがほぼ同等の計算機資源を利用していることが前提になっている。これを仮に平等性原則と呼ぼう。量子計算機の計算速度を既存のノイマン型計算機との単純な速度比になおすと、解く問題によっては1億倍に相当するとも言われる。

参考: When can Quantum Annealing win?

こういった量子計算機の実用化により、2つの疑問が生じる。

  • 平等性原則は悪意の者が過去のトランザクションを再計算し尽くしてしまわないことを担保している。しかし1億倍の効率でマイニングするプレイヤーが現れても、この改ざんを防ぐことはできるのか。
  • 全履歴を改ざんできる能力があるとしても、利益を得たい場合はそういった破壊的な攻撃はしなさそうである。きっと絶妙に調整した速度で新たなマイニングに参入する。すると、既存プレイヤーの成績は下がる。一部の参加者に優位だと分かったところで、既存プレイヤーは競争に残り続けるだろうか。より厄介なのは、参加者に与える問題を難しくしてこういった事態を防ぐことができないことだ。市場に出回るビットコインは総量が単調増加になるよう新規発行が制限されており、それを問題の難易度で調整している。しかし、それは一方的に不利な状況におちいっている他のプレイヤーを救いはしない。

ここまで、平等性原則が崩れた際に起こりうる問題を提示した。現在、量子計算機は一部の研究機関にしか存在しておらず、汎用性もなく、解く問題が限定されているので当面は支障はないかもしれない。しかし、汎用化されて市販される未来が来るとすれば(少なくとも否定はされていない)、ソフトランディングさせる方策が求められるだろう。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中