民泊新法 観光収入や空家活用に懸念

architecture bay bridge buildings

米国発の宿泊施設斡旋サイト Airbnb が苦境に立たされている。いわゆる「民泊新法」の施行を受けて、紹介物件を絞り込まざるをえなくなったのだ。

全国で8割近い減少

実際に Airbnb のサイトを訪れて「東京」で検索すると、物件を示すピンが激減していることが見て取れる。

Screenshot 2018-06-16 14.35.08

データをみると一目瞭然である。

20180603144611
出典: マンション・チラシの定点観測 (AirbDatabank)

 

全国のAirbnb登録件数は1日で約4万件、実に 76% も減少したことになる。これを受け、同社は日本企業との共同体を組織するとしている。

民泊仲介サイト最大手の米エアビーアンドビーは14日、日本企業36社と産業横断型の共同体を組織すると発表した。15日に施行される住宅宿泊事業法(民泊新法)による規制強化が事業モデルを圧迫する中、利用者に使い勝手のいいサービスを提供することで戦略の立て直しを図る。

出典: Bloomberg

こうした新たな形態の民泊は本国アメリカでも摩擦を起こしている。当然に日本でも規制がかかる可能性は容易に予測できたのにもかかわらず、ロビイングするには遅きに失している印象を受ける。

民泊新法にしても、本来であれば要件は「集合住宅の管理規約に反していないこと」程度で事足りそうなものだが、180日の営業日の規制すらかかってしまった。営業日の規制で住民にどのまで恩恵があるのか疑問が募る。

  • 旅行業への影響。特に訪日外国人からの観光収入の冷え込みが予想される。
  • 不動産物件のオーナーは利活用の手段が限られてしまったため潜在価値を減らされた。空家が増えていることが問題視されているなか、活用する選択肢を減らしている。

 

観光庁は16日、2017年の訪日外国人客数は前年比19.3%増の2869万人となり、過去最高を更新したと発表した。17年の外国人旅行者消費総額は前年比17.8%増の4兆4161億円で5年連続して過去最高を更新、初めて4兆円を超えた。

出典: ロイター 

 

観光客数および消費総額ともに好調なインバウンド市場。円安などを背景として伸びているとされるが、民泊の規制はこの好況に水をさしかねない。

 

特区民泊の呆れた複雑さ

緩和策として、内閣府により 旅館業法の特例(特区民泊) が認められている。しかし、この特区民泊もかなり癖の強い制度だ。

  • 各自治体単位での条例が前提になる
  • 2泊3日以上の滞在が条件となっている

各自治体の条例に委ねられたのは、自治体ごとに特色がでることにつながり地方分権の一環として評価できないことはない。しかし、やっと180日ルールが外せられるかと思えば、次は2泊3日ルールが課せられるに至っては呆れるしかない状況である。しかも、この2泊3日ルールは条例で緩和することはできない。

なお、民泊の他に簡易宿所という手もあるが、これは許可制でありハードルが高いため本稿では扱わない。

 

各国での規制

アメリカ、ニューヨークでも Airbnb に規制がかけられた。日本の180日ルールなど商業的に致命的な規制は入っていないようだ。

米ニューヨーク市議会は18日、民泊仲介サイト大手エアビーアンドビー(Airbnb)に対し、民泊提供者(ホスト)の氏名や住所を同市管轄の法執行機関に開示することを義務付ける条例案を全会一致で採択した。違法な民泊を取り締まることが目的。ただ打撃を受ける同社はこの規制を巡りホテル労組を批判している。

出典: WSJ

 

 

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中