タクシーの運転マナーが悪いと思ったことはないだろうか。例えば、信号機のない横断歩道を渡ろうとしている歩行者へ道を譲らないタクシーを目にすることはよくある。
■実はマナー以前の問題
運転免許証を取得したことがあるひとは覚えているだろうが、先ほど例示した横断歩道を渡ろうとしている歩行者へ道を譲らない運転は道路交通法違反である。
つまり、厳密にいえば運転マナーではなく法律を守るかどうかの問題なのだ。しかし日本では十分に法律の遵守が徹底されていない。2016年10月時点で、JAFの調査によると9割以上の運転手は歩行者が渡ろうとしていても一時停止しないそうだ。
これにより、やや滑稽なことに日本で生まれ育ったひとは旅先の先進諸国で「歩行者に対する運転マナーの良さ」に驚くことがよくある。
百歩譲って一般ドライバーはお目こぼしするにしても、せめてプロであるタクシードライバーには道路交通法は守ってほしいと思うのは決して過小な要求ではないはずだ。
■監督官庁へ苦情を入れる
タクシー業界の監督官庁である国交省は ホットラインステーション で苦情を受け付けている。先述のような問題意識があったなか、先日横浜市内の横断歩道を渡ろうとしたときにタクシーが停止しない事案が発生したため問い合わせフォームにて苦情を申したてた。
具体的に所轄官庁にどういった処分を行う権限があるのかは不勉強なため要調査だが、どのような進展があるかは興味深い。
先進諸国並みに安全な交通の実現を願っているので、違反にあたっては第二種運転免許の停止や剥奪、また悪質な場合は事業会社の営業停止命令なども視野に入れてほしいところだ。
なお政令指定都市などではタクシー協会が苦情の窓口になっている。
タクシー運転手の遵法意識の欠如には目にあまるものがある。このような現状では、自動運転で職にあぶれるようになったとしても気の毒には思えない。