論文数から読みとる日本の将来 計算機科学で 37.7% 減

日系企業の工作機械と素材はまだまだ強いと聞くが、それもいつまで続くのか心細い。

academic research

論文出版数の低下

ネイチャーの「Nature Index 2017 日本版」によると、日本が従来得意としてきた分野での論文出版数が落ち込んでいる。

日本の論文出版数を2015年と2005年とで比較した場合、…材料科学および工学の論文出版数は10%以上減少しており、減少率が最も大きかったのが計算機科学で37.7%も減少しました。

出典: Nature Research

日系の電化製品メーカーが軒並み「本業」で苦戦しているなか、まだまだ国際的に競争力が高いといわれるのは素材や工作機器のメーカーである。しかしそういった応用分野の素地となる学術研究の勢いがこの10年で衰えている。

また、あらゆる事業会社が情報産業化してソフトウェアの重要性が高まっているのにもかかわらず、計算機科学分野の論文出版数が 37.7% も減少しているのは目を引く。

科学競争力の国際比較

科学分野全般の研究論文を、他国と比較してみよう。実は論文数は GDP との相関が p=0.97 と非常に強い。

相関 p=0.97 (N=160)

より細かく見るには、論文数のトップ10か国のみに絞った下図で比較がしやすい。日本は、米中はもとよりドイツやイギリスよりも論文数 (青: article count) が少ないことが見て取れる。論文数のわりに GDP は健闘しているともいえるが、これは先程の10年間の下降トレンドとあわせて考えるに今後 GDP が相対的に下がる恐れはある。

[Article count vs. GDP] 10 Major Countries

あくまで相関関係であるため、因果関係を示したわけではないのだが、それでもこの論文数の少なさは心もとない。とくに、日本は発展途上国というわけではないことを考慮すると、どうしても将来の GDP 低下は懸念される。

ちなみに、人口規模と論文数との相関は低い。論文数トップ36カ国の 人口 を可視化した。円のサイズが人口を示している。

※計算シートは docs.google.com にて公開しています。

  • Article count vs. GDP: (p=0.97, N=160)
  • Article count vs. Population: (p=0.43, N=160)
  • Article count vs. GDP per capita: (p=0.26, N=160)
  • Population vs. GDP: (p=0.57, N=200)

出典

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