MTGがあなたの手の中に

元祖トレーディングカードゲーム、マジック・ザ・ギャザリングのオンライン版「MTGアリーナ (MTGA)」で遊び始めて14日が経った。シンプルに楽しいの一言に尽きる。


新参者に配慮して改善され続けているカードゲーム

Magicは小学生以来なのでルールから覚え直したが、時の洗礼を受けて熟成されてきたエコシステムは大人になったからこそ感心させられるところ。特に「スタンダード」と呼ばれる基軸のフォーマットが秀逸で、直近2年以内に発売されたカードセットのみが使用できる。これで初心者や復帰プレイヤーが追いつくのを容易にしている。他のフォーマットも、新規カードの発掘に適していて「スタンダード」へのフィードバックになるという好循環を生み出している。

また、アプリの完成度にも舌を巻いた。この複雑なルール体系を紙のカードと互換で実装しきった関係者の努力は並大抵でないことはいやでも伝わる。モバイルとデスクトップの両方を試したが、特に大きな問題はなかった。ただモバイル版は早期アクセスとして1月にリリースされたばかりで、盤面のクリーチャーが異常に増えるとプレイしづらくなる。例えば、倍々に自身をコピーする「硬鎧の大群」をデッキに入れているが、増えすぎるとアプリが固まって戦況が不利になることもある。このカードは自身をコピーする能力がデジタルだが、それがシステム的に悪影響を及ぼしているのはなんとも皮肉だ。

ともあれカードゲームにここまでの規模の投資があることに驚く。Magicの競技人口は3500万人を数え、将棋や麻雀が500-600万人と言われているので市場規模が桁違いということが伝わってくる。


▶モバイル版の宣伝文句 “The gateway to Magic is now in your hands” に対して「(カードゲームなんだから)20年前からそうじゃん」って突っ込まれてるのは笑ってしまった。

アプリから始めよう、無料で

Magicの入門にはアプリが最適といっていいだろう。無料で、チュートリアルが充実していて、操作はシンプル。かくいう自分も、アプリで流れに親しんでから、実物に参入したくなって新発売の「チャレンジャーデッキ2021」を予約した口だ。

課金はそれほど求められず、無料でも十分にエンジョイできる。特に公式見解ではないが、MTGAは新規顧客層の開拓やプレイデータの取得に重点が置かれており、それほど課金は求められない立ち位置にあるのではないだろうか。

もし課金するなら初回限定のウエルカム・セット $4.99 を手始めに、その次はジェム効率のいい $99.99 単位でお勧めしたい。各種イベントなども含めて快適に戦えるようになる。自分は最初の数日はウエルカム・セットだけを買ってプレイして、その後デッキ構築の柱となる「M21」などに $99.99*2 を費やして14日目の今日に至る。いわゆるソシャゲの金銭感覚に多少なりとも通ずる人は良心的な設計に心温まることだろう。特にパック(いわゆるガチャ)で出る、レアリティごとのワイルドカード (WC)は未保有のカードを指定して作成できてしまうのがありがたい。なお、ゲーム中で最も貴重な資産がWCなので安易に使ってしまわないようにしたい。特にレアWCは不足しがちなので、名前に「小道 (pathway)」と入った両面土地を優先してコンプリートしていこう。

目指すところにもよるが、自分の場合は月1万円くらいで今後とも継続して楽しめそうな予感がしている。遊び方は多様で、参加しきれていないイベントや理解が追いついていない仕組みなどがあるので挑戦していきたい。


▶諸事情で「お買い得」な $99.99 はデスクトップ版のみで入手可能。無課金勢は「節約家」の初心者向け動画を視聴しましょう。

デッキ紹介

最後に、依然入れ代わりが激しいことは断りつつ、開始14日目のスナップショットとして「スタンダード」フォーマットのデッキを掲載しておく。

デッキ
2 真面目な身代わり (M21) 239
2 影さす太枝のニッサ (ZNR) 231
2 自然への回帰 (M21) 200
4 胞子網の織り手 (M21) 208
4 疾病の神殿 (M21) 253
3 精神迷わせの秘本 (M21) 232
2 虐殺のワーム (M21) 114
2 古き神々への束縛 (KHM) 206
6 沼 (ELD) 258
3 長老ガーガロス (M21) 179
2 悪魔の抱擁 (M21) 95
2 英雄的介入 (M21) 188
4 忘却の虚僧 (ZNR) 118
6 森 (M21) 274
2 耕作 (M21) 177
1 硬鎧の大群 (ZNR) 203
4 闇孔の小道 (KHM) 254
1 精霊龍、ウギン (M21) 1
4 残忍な騎士 (ELD) 97
2 マラキールの再誕 (ZNR) 111
2 鏡の盾 (THB) 234

【解説】戦略としては、リソースはライフだろうが墓場だろうが活用していく。主力に威圧・魂魄持ちの「忘却の虚僧」を据えて、アーティファクトで強化しつつ除去カードなどで支援していく展開が多い。特に修整+3/+1・飛行付与の「悪魔の抱擁」との相性が良く攻撃が通れば10点差をつけられるが、除去されやすいので「鏡の盾」を先に装備できているとなおよし。フィニッシャーとしては、先におとりで対戦して相手側のタフネスを減らしておいて「虐殺のワーム」を後出しして修正-2/-2の除去範囲を広げられると強い。止めを刺しきれなくても次ターン以降に単体除去などで追加ダメージを狙える。終盤に土地を引いたときは後々「影さす太枝のニッサ」の上陸からの即奥義や「硬鎧の大群」のコピーに被せたくなる可能性があるのでマナ不足でないなら手札に保持しておく。全般的に黒のコストが高いので裏面土地の「マラキールの再誕」を積んでから勝率が安定した。

【補足】プレインズウォーカーは計3枚。先述の「影さす太枝のニッサ」は序盤〜中盤は忠誠度をあげつつ威圧持ちの3/3でライフを削り、中盤以降は反撃を食らって土地クリーチャーが墓地にいくのを防ぐために、土地のアンタップ要員となる。奥義は、①多才だが除去されがちな「長老ガーガロス」を8/8で戦場に戻したり、②膠着しかけたときにコンバットで相打ちさせて修正+2/+2で戻したり、③はたまた「虐殺のワーム」の全体除去の第2段を繰り出したりと、応用の幅は広い。もう1種は「精霊龍、ウギン」で、収拾がつかなくなったときの保険として控えさせる。マナ加速の手段が多いのでドローさえできれば出しにくくはない。

※最新デッキはGoogle Docsで更新している。


▶ゴルガリ・ミッドレンジ、名付けて「Shady Forest」。マナカーブは平凡なのでマリガンを怠らなければ事故が起こりにくく、かつ終盤に腐りにくいカードが多いのが特徴か。

はじめてよかった、MTGA

さてMagicの体験としての完成度に感動しきりなのだが、特にプレイ・デザイナーたちに惜しみのない賛辞をおくりたい。遊戯として破綻させず、プレイヤーを最も楽しませるよう磨き抜かれた体系は壮麗さすら感じさせる。なにより開発陣がオープンなのが良い。なんとも言い表せられないが、近年のソフトウェア開発の潮流に通ずる発想があると思った。


現スタンダードにおける制限カードの筆頭候補「ティボルトの計略」を使われている様子。4ターン目の盤面じゃねぇ! 前向きにいえば、こういった冒険的なカードが入ることも運営が新陳代謝に挑戦し続けている証左だろう。

追記 2021-02-17

スタンダードでは「ティボルトの計略」は制限カードに指定されず続唱のルール更新があり若干の弱体化となりました。しかし大勢に影響はなく環境には残り続けるので、運ゲーに付き合わされると思うと時間が無駄になるので少しうんざりします。勝率は高くないとのことで、確かにランキング戦では見かけないのがせめてもの救いです。でも現時点の不満ってそれくらいです。運営の手腕にはうならされます。


以上、プレイヤー i05#57885 によるMTGA体験記でした!

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MTGがあなたの手の中に」への1件のフィードバック

  1. […] 自分は無課金プレイヤーというわけではなく総額で3万円強は費やしている。このゲーム体験に対しては安い対価だと素直に思う。ただ高レアリティのカードを詰め合わせた我流のデッキを一度構築していて、そのあたりの経緯は2週目時点の入門記事で片鱗が現れていた。 […]

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