近年の消費者動向の1つに「所有から共有へ」という潮流があり、サブスク型のビジネスが大きく伸びています。しかしまだまだ伝統的な流通しかしていない資産や消費財っていうのはたくさんあり、その受け皿としてメルカリなどの中古市場が存在します。
■ メルカリ型の消費
そのメルカリですが、自分はブランドもののバッグなどを買ったときに、届いた直後から『この価格なら手放していい』って価格でメルカリに売りに出すようにしています。たとえば定価10万円のバックパックをセールで安く買ったので、普段遣いはしつつ、メルカリに出品はしておきます。廃盤になったころにプレミアをつけてもいいから入手したいという人がいるかもしれず、中古品質という点を割り引いても定価くらいで買ってくれる人はいそうですよね。商品が気に入っているなら、相場より高く設定すればいいし、数ヶ月に一回くらい価格を見直します。トラブル防止のため、あくまで中古品質である旨は明記しておき、(さいわい今まで経験したことはないですが)目立つ傷がついてしまった場合には写真を追加したほうがいいでしょう。
■ メルカリ型の住まい
先ほどの例ではバックパックでしたが、住居も同じように運用できます。不動産は「賃貸物件」という業態が定着しており、サブスク業態の本家本元といえます。それでもやはり、賃貸といえばワンルームを始めたとした1-2人暮らしがマーケットの過半を占めて [2015] おり、ファミリー向けの物件は取り扱いが少なく、流動性に欠けます。それが消費者(借主)の目線では、競争の少なさから家賃が高止まりしているように見えるでしょう。税制による誘導などを踏まえても、ファミリー向けの物件は分譲住宅が第一選択肢として想定されているのが実情です。
そこで、購入した住宅もメルカリ型で売りに出してしまえばいいんじゃないかとの発想に至りました。不動産の相場にプラスして「追い出し料」を加えて、住みながら売りに出すのです。例えば通勤通学や引っ越しの手間・新居の価格・諸税などを考えても「購入時から500万円値上がりしたなら、さすがに売るわ」みたいに価格付けする。相場より高いので成約見込みは薄いですが、不動産は一物多価です。近くの物件に住んでいる人が事務所にほしい場合など、なにかの縁で「ワンチャン」を狙えると思います。
サービスを扱う仲介会社はそういう心積もりではないだろうから体験としては最適化されていないでしょうが、一つのユースケースとして細く長く親しまれる商習慣になってほしいです。