増えよ朗読

朗読の一番の利点は敷居の低さで、馴染みでない分野でも音声なら聴ける。

もっと朗読が広まって、願わくば品揃えが桁違い(刊行数が100倍くらい)に増えてほしい。猛者は text to speech で音源から作るらしいが、読み上げのクオリティは昨今の技術のおかげで満足できるにしても入稿する素材の確保が難航しそうではある。例えば既存の電子書籍はORCから始めなきゃいけないタイトルも多く、Amazonなどの流通や出版社からの自発的な取り組みには期待しにくいか。消費者目線ではEUなどの消費者保護やプラットフォーム規制に望みを託したい。

朗読にも本質的な欠点はある。情報密度の低さだ。通しで聴くと新書でも5-6時間かかるので、どうしても効率は悪くなってしまう。倍速再生しても高々定数倍しか時間短縮できず、飛ばし読みができる紙に強みを見いだせる。将来的には情報密度の低さはAIによる要約で補い、詳しく知りたい箇所を通読させるのが主流となりそうだ。