中古マンションを買いました

横浜市内の中古マンション1室を買いました。なんと売出価格から400万円近く値引きしてもらいました。おそらく新築時よりも高値の水準で売りに出されていたので値引き額が大きく見えますが、ざっくりいうと「設備のグレードが高めの物件を、地域の坪単価の相場くらいの値段に抑えられた」という戦果です。これなら修繕積立金の値上がりを見込んでもお得だと思える取引でした。

【修繕積立金の値上げを見込んで月々の支払い金額を試算した】

■交渉の舞台裏

まず自分と同じように住宅を買おうとしている人に伝えたいのは、中古物件は値引きできるぞっていう点です。大きな買い物だからと難しく考えないで、メルカリと同じだと思ってください。定価がなく、市場に流通している物件の多くが個人間取引です。

例えば僕のケースでは、簡単に言うと3300万円で指値して粘ったら通りました。まず内見を申し込んだ段階で、売りだし価格から1割引を目指していました。そして初回の内見時から3300万円と一貫して伝えて、本気度を見せるため内見後にその足で住宅ローンの事前審査に申し込みました。

※この事前審査は先に済ませて他の物件に流用することができるので、予算上限くらいで通しておくと物件探しが進めやすくなります。審査結果を開示すると予算が先方に知られてしまい交渉に影響しそうですが、誠実に「この物件なら●●万円」と一貫性をもって伝えれば差し障りないと思います。

閑話休題。申込書の時点では3400万円までは売主から即OKが出ました。それから住宅ローンの仮審査が通って、いざ契約という運びになるんですが、そのときも3300万円で押し通しました。仲介の方に「正直言うと無理だと思います」と粘られても、ダメなら引き下がりますと伝えたら通ったのです。もちろん仲介は3350など金額を刻もうとしてきますが、それは辞退します。他の買い希望者が現れれば横取りされていたでしょうが、それも算段のうちです。内見のとき空室だったので、どちらかといえば売主は売り急いでいると考えて強気で押しました。というか、先方に伝えたとおり指値が通らなければ賃貸暮らしを続けてなんの問題もありませんでした。

具体的な内容に言及するのは避けますが、仲介の方は「方便」を用いて売主を説得したようです。口裏合わせを頼まれたので若干の後味の悪さはありましたが、100万円の代償だと思えば痛くありません。そもそも、さらなる値引きを言い出しにくくさせるための演出だったかもしれないので売主の心象は気にしないようにしました。さて、なぜここまでして仲介の方は味方になってくれたのか。理由は定かではありませんが、値下げしても取引を成就させたほうが彼彼女らにとって得なのは確かです。僕は元付業者とやりとりしていたのですが、どうしても両手取引の機会を逃したくなかったのではないかと思います。この辺の用語は漫画『正直不動産』などで学んでください。ローン返済期間に希釈されるとはいえ、それで何百万円と変わってくるので数冊の本の出費を惜しまないように。ともかく、一般的に契約時と引渡し時の2回に分けて仲介手数料が入るので、業者は取引をまとめるのに熱心になってくれます。

【コンビニのATMで5回に分けて引き落した手付け金】

今回の経験を踏まえて思うに、買主の交渉力は内見時から申込までがピークです。建前上は契約直前まで交渉できますが、そんな野暮なことはせず早めに希望を伝えて条件を引き出すことをおすすめします。

逆に契約後は、買主にも合意に至った売買契約を履行する責任が生じます。もし契約を破棄するなら、手付け金を放棄しなければなりません(ちなみに、逆に売主がやっぱヤメピをするには手付け金を買主に倍返しします。今回の手付は100万円でしたが、ぜひともヤメピ食らってみたかったです)。一度契約しておいて、住宅ローンの審査に協力しないとか、わざと契約を反故にしようとすると損害賠償するはめになります。しっかりした仲介会社だからか法律の要件だからか知りませんが、こういう場合に払う額なんかも契約書には記されていました。まあ普通に頑張って買おうとしていれば大丈夫です。せいぜい仲介業者に言われた所得証明関連の書類を集めるとか、そんなもんです。なお、住宅ローン特約といって、本審査に通らなかったときは契約無効で手付け金も戻ってくる条項が入るので安心してください。めったに無いとは思いますが、この特約がない契約書を巻こうとしてくる業者は激ヤバなので避けましょう。そういう意味で、念のため僕は契約前に仲介業者の 宅建業 の登録は確認して行政指導されてないかとかは調べました。

要するに値段の交渉は、申込書〜契約前までに済ませましょう。契約後は物件に瑕疵が見つかった場合など契約書に定めのある分しか余地はありません。なので、契約前までとことんやりましょう。成就しなければ潔く諦めましょう。僕らの場合も、値下げ直後の割安な物件で交渉しようとして、そもそも仲介業者が話に乗ってくれないなんてこともありました。実は、その断られた物件が割安だったので本命のときの交渉材料として「900万円近く差額があると、いくらグレードが違うといっても踏み切れない」と比較に使っていました。よそで弱気な売出情報が出ていると、どうやら元付の方には訴求しやすいようです。知らんけど。

出口戦略

住宅は多くの人にとって人生で最大の買いものです。契約前には不確定要素の大きさにビビります。逆説的ですが、だからこそ売り抜けやすさは重視したいところです。出口戦略を立てておくことで精神に余裕が生まれます。

僕たちの場合、そもそも物件探しを始めたきっかけがCOVID-19に端を発した在宅勤務でした。居住中のメゾネット型1DKの約50㎡だと2人暮らしには狭かったのです。自分はいわゆる「賃貸派」だったんですが、昨今の情勢を受けて仮に転職を視野に入れたとしても業界全体として在宅勤務で働ける選択肢が増えたことにより、購入に傾きました。通勤がなくなることで引っ越しのことも考えなくて良くなったのです。

もちろん中古マンションを購入する以外の選択肢もありましたが、次の理由で候補から外れました。

  • 駅から遠いが、広くて新しい賃貸を借りる → 日常の買い物や外出が不便
  • 実家の土地に戸建てを新築する → 売り抜けられないうえに子供ができるとすれば横浜のほうが教育環境の選択肢が多い

※これらの検討事項は横浜市内が前提になっており、都区部だと賃貸に軍配が上がりそうです。そもそも都心には極端に不便な場所が存在しないことに加えて、賃貸物件自体の球数が多いので価格競争が働いており割安です。きちんと検証はしていませんが横浜だと居住性を上げようとすると球数が少なく値上がり幅が大きい印象を受けました。

さて、昨今の情勢を受けて「購入派」に転向したものの、物件選びにあたっては「売却のしやすさ」を must-have として条件の主軸にしました。具体的には下記のようなことを考えていました。

  • 高級物件には手を出さない。理由は単純で、価格が高いと回転率に劣るから。
    • そもそも売りやすさなんかは抜きにしても身の丈にあった物件を選びたいところです。悪いことは言わないので住宅ローンの借入額は世帯年収の3-4倍に収めましょう。
    • ちなみに低金利かつ税制面の優遇があるので物件価格をフルローンかつ長期で組むことには賛成します。僕としては住宅ローン控除の4000万円まで余裕があるので壁紙や畳といった消耗品のリフォームは含めておけばよかったと少し後悔しているところです。
    • 頭金は入れないにしても、諸費用がかかるので物件価格の1割くらいはすぐに動かせる軍資金を用意しておきましょう。貯蓄大事よ。
  • 広すぎる物件は避ける。これも潜在的な買主を広く確保するため。
    • 老夫婦やDINKSまでターゲットに含められるのは70㎡くらいまでです。それ以上はファミリー層になるので、ぐっと母数が減ります。
    • 居住性とのトレードオフになるので狭すぎるのも考えもの。住宅ローン控除の下限値である50㎡超が1つの目安にはなるでしょう。
    • 広さの代わりに駅近の物件を優先させました。仮に自分は気にしないとしても、購入者の大多数は最寄りの駅まで徒歩10分以内とかで条件をつけて探すので。
  • 人気・便利な地域を選ぶ。これは物件価格に直結するので、多少妥協した。
    • 最初は値下がりしにくそうな桜木町で探し始めましたが、騒音が気になりました。在宅勤務は部屋で仕事するので静かな住宅街へ狙いを変えました。
    • ハザードマップは必ず確認すること。自分は賃貸ですら気にします。

一方で、忘れられがちなのは物件価格以外の諸費用です。今回、引越し代など賃貸でもかかるものを除いて200万円強の出費がありました。回収するのに約24-48ヶ月かかる見込みで、内訳は次の通りです。

  • 仲介手数料 50万円*2回: 思うところがあり、ここは値切り要求しませんでした。現物での特典があったので、交渉していればそこを増やせていたかもしれません。
  • 住宅ローン 70万円: 高回転で買い換える人は、金利より手数料の低い銀行を優先するそう。検討の余地ありです。
  • 登記 25万円: 銀行指定の司法書士事務所でした。
  • ホームインスペクション 8万円: 詳しくは後述の通りです。

その他、参考までに自分が気にかけた周辺施設等を書き起こしておきます。

  • 日常生活: コンビニ、スーパー、カーシェア
  • 文化施設: 学校、公園、図書館、ジム、ゴルフ練習場

このへんはライフスタイルによると思うので、優先度別で天秤にかけてみてください。土地柄によって住民が変わってくるので意外と侮れないですぞ。

正確に出口戦略を描くにはランニングコストとしての税金や売却時の諸費用も考えねばなりません。例えば代表的な税金としては固定資産税がありますが、住宅ローン控除と相殺されるか少しプラスと試算しています。売却については腹案があるのですが、実践していないことを書いても参考にならないと思うので折を見て別稿で扱わせてください。

■ホームインスペクション

投資の世界では due diligence が求められますが、個人取引の不動産であってもリスクの洗い出しをしておきたいところです。中古マンションでまず避けて通れないのが管理状況の確認です。近年では「マンションは管理を買え」と言われるほど重要視されています。そこで内見時〜契約前にかけて可能な限りの資料を手に入れて、契約に間に合うようにインスペクション業者にレビューを依頼しました。これで管理組合の財務状況などから修繕積立金の値上げ幅を推測できます。

次に意識したいのは住宅診断です。特に戸建てでは必須といって差し支えないと思います。ぜひ契約前までに結果がでるように買主負担で手配しましょう。共同住宅でも築10年を超えていれば、アフターサービスが切れるころあいなので同じく住宅診断をおすすめします。

僕が購入した物件は築浅でアフターサービスも残っているのですが、早めに瑕疵を見つけないと売主負担で補修できないので住宅診断を入れました。こちらは現地調査のスケジュール調整が必要だったため契約時には間に合わず、引き渡し前に済ませました。さいわい大きな不具合は見つかりませんでしたが、安心できたので頼んで良かったと思います。基礎のヘアクラックを見つけてくれたので、大規模修繕のときには申し伝えようかと心づもりしています。

■火災保険の選び方

住宅ローンを借りるには火災保険に入れと言われますが、補償内容は精査しましょう。僕は家財部分は要らないと思って掛けませんでした。

何件か独立系FPのYouTubeチャンネルを見て回ったんですが、保険の掛け方の原則として「小さい確率で起こる大きな出費」をカバーすべしと教えつつ、同じ口で「保障額が引き出しやすい」って理由で割高な家財も入れようと薦めていて納得がいきません。僕の場合、家電や家具の再調達は数十万で済むので貯金で買い換えられます。つまり保険は不要です。ちなみに保険とは直接関係ありませんが、使えなくなって困る家財はパソコンくらいのもので、数週間くらいは近くのコンビニやコインランドリーで生活は成り立ちます。

■総評

はあ、どの曜日でもゴミ出しできるようになるのが何より嬉しい!