ゴルフ未経験者の100切り挑戦録

何かジム以外に運動の選択肢がほしいと思い立って2023年の年末にゴルフ練習場に行き始めた。初心者の登竜門「スコア100切り」を目標に定めたので備忘録として書き起こしておく。

ゴルフ用品の選定

初めてラウンドに行くまではクラブは買わずにレンタルでしのいだほうがいいと思う。そこで楽しいと思えてから買っても遅くないし、もう懲り懲りと思えば一旦遠ざかればいい。事前に打ちっぱなしなどで練習するにしても、ほとんどのゴルフ練習場には貸しクラブがあるのでグローブさえ持っておけば練習を始められる。いろいろな種類を振ってみて自分の感性を養っておくとクラブ選定をする際に参考になる。

さて形から入りたい派の方には悲報だが、いざクラブの調達を考え始めても一気に14本を買い揃えるのは控えたい。まずはパターとアイアンセットから始めてみよう。

買い揃えたい番手 ※優先度順

  • パター: 唯一、自宅で練習してもひんしゅくを買わない番手。値段や見た目で選んでいいが、クラブ長には注意したい。例えば身長が190cmあるなら品揃えが薄くても頑張って35インチのパターを探そう。
  • アイアンセット: できれば 6i〜SW まで揃っているセットが望ましいが、最低 7i〜PW を揃えておいて SW (55±1°) を買い足してもよい。とにかくクラブに助けてもらうべく、入手できる中で最もヘッドの大きいモデルを選ぼう。型落ちや中古で構わない。狙い目のモデルは SIM2 Max や Rogue ST Max など。
  • ハイブリッド: 慣れれば心強いのが「ユーティリティ」とも呼ばれるハイブリッド。最初に入手しておきたい番手は 4h, 5h あたり。フレックスはアイアンより同程度か柔らかめを選ぶこと。特にアマチュアから高く評価されているブランドはPingだが定番だけあって中古でも値段が高水準で推移している。特にハイブリッドはアイアンで済ませる層がいて、かつ一度買っても長く使う傾向があるので、市場の需給が釣り合っていない。ということで奮発して新品をお買い上げしてもいい。
  • ドライバー: 最も長いクラブなので難しいは難しいが、当たれば一番飛ぶので爽快。一般にティーアップして打つのでFWよりは易しい。コースで使うかは置いておいてモチベーション維持につながるので欲しいなら買おう。
  • フェアウェイウッド (FW): ウッド類は高価かつシャフトが長くて難易度が高いので100切り達成のご褒美に買うことを提唱したい。

このうち最初は PW, 7i だけに絞って練習を何ヶ月かしてみよう。他の番手を買い足すのはアイアンで感覚を磨いてからでも遅くない。練習場に貸しクラブがあるならドライバーを貸してもらってティーショットの練習はしてもいいと思う。

もし年季の入った中古クラブを買ったなら、グリップ交換は早めにやっておきたい。グローブサイズ25cmの自分の場合 MCC Plus4 だと指が余らず握りやすいので気に入っている。

おすすめスイング解析アプリ

素人の弱点は「反省する能力の低さ」ではないか。未経験なのだから当然だが、何らかの補助がなければ自分の未熟さにすら気付けない。

そこで自分のスイングを撮影して改善点をあぶり出そうという話である。標準のカメラでもいいのだが、いくつかアプリを比べてみたところ日英両対応の Golf Vision が頭ひとつ抜き出たクオリティだった。

気に入った点:

  • カメラを起動しっぱなしにしておけばスイングごとにビデオを分割してくれる
  • 再生機能が豊富
    • 段階ごとに「アドレステイクバックバックスイングトップダウンスイングインパクトフォロースルー→フィニッシュ」と静止画を確認したり、トップからインパクトまでなど特定の区間のみを繰り返し再生したりできる
    • スローモーション再生もワンタップでできる
  • 動画の書き出し(等倍・スローモーション)
  • 頭の軌跡などのガイドラインを付加してくれる ※無料プランには制限あり

無料の範囲でも十分過ぎるほど有用だし、お財布が許せば980円/月を購読する価値は全然ある。惜しむらくはiOSのみ対応ということ。

さらにユピテルと連携すればヘッドスピードや推定飛距離などのデータも取り込める。弾道測定器には普及価格帯でも選択肢は多いが、予算1万円代で揃えられるコスパの高さはユピテルが図抜けていると思う。こういったデータは成長速度の向上だけでなく、細かい成長を実感してモチベーションを維持するのにも役立つ。弾道測定器の数値を参考にしつつ、自分のスイングをスマホで撮影すれば一通りの環境はそろう。

おすすめGPSアプリ

コースでも数値化できるものはしてしまおう。改善ループの精緻化に繋がる。

レーザー距離計も数万円で十分な性能の製品が手に入るが、まずは無料の「Motocaddy GPS」を試してみたい。ゴルフカート大手による開発で、収録コースも充実している。グリーンまでの距離だけでなく、第2打目以降のハザードまでの距離なんかも手軽に確認できる。

スタジオでの練習

自分の場合は当初打ちっぱなしに通ったものの毎回1000-2000円を費やすより固定の場所で月謝を払ったほうがいいと思いいたり、屋内ゴルフスタジオに通い始めた。首都圏だと平日限定プラン1万-2万円/月くらいで、屋内は天候に左右されにくい利点もある。とにかく頻繁に通える練習場所を選ぼう。

ちなみにスタジオに慣れた状態で打ちっぱなしに行くと得も言われぬ開放感を味わえる。ちゃんと測ったことはないが、屋内より飛距離も伸びる気がする。

練習メニュー:

  • 左腕での片手打ちアプローチショット
    • これを基準にして、両腕を使うときもバックスイングは左腕だけの速度にあわせると安定しやすい
  • ハーフショット〜スリークォーター
    • 内転筋と体幹で前傾姿勢を安定させる
    • ショットごとに本番と同じように乾坤一擲の素振りを入れる
    • 切り返しでポーズする(ミート率の向上)

屋内練習場は弾道測定器のTrackmanやGCQuad系の機器が備え付けのスタジオをおすすめしたい。インパクト時の高精度なデータが取得できる。

目標値:

  • Club path: ±0..3°
  • Attack angle: ダウンブローに打てているか(ドライバー除く)
  • Landing angle: irons 40+°, woods 35+°

番手はショートアイアンから始めよう。自分も初心者の例に漏れずドライバーなどの長いクラブの安定性に苦しんだ。まずは焦らずに小さめに振って、慣れてきてからフルスイングに移行したい。とはいえ先述の通り「100切り」に特化するならドライバーを抜いて4hを握るのが手っ取り早い。

ショートコースでの練習

河川敷などのショートコースでの練習も経験値稼ぎの効率が高い。首都圏だと多摩川の河川敷に数カ所候補あり。

  • ボギーオン率の向上を目標にする
    • 天然芝の打感を知る
    • バンカーやアプローチの練習
  • ティーはOBなどの避けたい側に刺す
  • ショット〜パターまで、まっすぐ構えるのが難しいのでスパット探しは必須
    • ショットの場合、できれば前2と後ろ1はほしい
  • ショット前の素振りは本番と同じように乾坤一擲で行う
    • 地形の起伏に応じた振り方を覚えなくても素振りで最下点を把握できる

おすすめ商品:

ミート率の改善策

右耳と右肩の距離を広げる。トップやダフリなどのエラーに困っているなら「餌を食べる亀」のように意識すると不思議と効果あり。この意識でフルスイング時の安定性が顕著に向上して感動した。

ちなみに紹介したショート動画はスイングの美しさに焦点が当てられているけど、自分で撮影してスイング改善していくときには「トップを防止したい」とか「飛距離を伸ばしたい」とか、見た目よりも具体的な球質やミスの傾向から逆算してその対策としてスイングを変えていくアプローチのほうが遠回りはしにくい。誰もが美麗スイングには憧れるし、実力との相関もあるとは思うけれど、非効率で不細工なスイングでもスコアが縮まれば正義というのは忘れないようにしたい。

飛距離の伸ばし方

そもそも初心者にとっては番手に応じた飛距離を出すのが難しい。ミート率は少しの工夫と練習量が物をいうとして、飛距離は発想の転換が必要だと思う。

前提として飛距離には ヘッドスピード (HS) は必須で、自分はそこから逆算していった。まずHSを上げるには薪割りのような縦振りの効率が高くて、それを球に当てるために帳尻が合うように身体を動かすみたいな順序で発想した。練習方法としてはマキロイの両手を分割して握るドリルが効いた。

画像の例のように飛球線後方側に縦振りのイメージづくりをする。右手でグリップ端を握ると、クラブの動きを邪魔をしない感覚が出せる。

あとがき

あとは悩みに応じてYouTube検索しよう。身体の特性・スイングの癖によるので初心者全般におすすめできる動画っていうのは多くない。